東野東吉織物

1907年、創業。1950年、合資会社東野機業場設立。2007年、社名を株式会社東野東吉織物へ変更。かつて繊維王国と呼ばれ多種多様な織物が生まれた福井の地で、創業以来変わらず羽二重の技法で絹織物を織り上げています。近年は、絹と異素材の交織も手掛けています。

会社名
株式会社東野東吉織物
住所
〒911-0804 福井県勝山市元町2-9-21
電話番号
0779-88-0317
ウェブサイト
http://higashino-tokichi.com

福井の風土の賜、ぬれよこ羽二重。

ぬれよこ羽二重とは、「羽二重」と「ぬれよこ」という二つの製法を組み合わせた織り技術です。「羽二重」は、通常の平織が経糸と緯糸を1本ずつ交わらせるところ、細めの経糸2本を撚らずに並べて織る製法で、薄く丈夫な織物に仕上がります。「ぬれよこ」とは、緯糸を水で濡らして織っていく製法で、地合が引き締まり、滑らか且つコシがあり、艶やかな風合いを生み出します。多湿な福井ならではの製法です。染色については、用途に合わせて絹と相性の良い「草木染め」などを行っています。

東野 晃典 Akinori Hiagashino

四季豊かで湿潤な福井独特の風土に育まれた伝統の織り工法「ぬれよこ羽二重」を継承。主に高級和装胴裏地用として大手百貨店などでの販売を展開している。近年は、織布のみならず、自社商品の開発も実施。ストールやハンカチ、シュシュ、洗顔ミトンなどの企画・製造・販売を行っている。日々、現場で技術を守り続けているからこそ次の福井の伝統を生み出せると自負する。
2000年、合資会社東野東吉機業場入社。2008年、代表取締役就任。2019年、BATTAN BATTAN設立。

東野 薫 Kaoru Hiagashino

東野東吉織物の4代目として技術継承とともに、国内外のイベント・展示会への出展など周知活動にも尽力。また地域の産業振興活動にも精力的に参加し、2006年から2010年には勝山織物工業協働組合理事長を、2013年には勝山市繊維協会理事長を務めた。
1967年、合資会社東野機業場入社。1971年、代表取締役就任。同年、社名を合資会社東野東吉機業場へ変更。2007年、社名を株式会社東野東吉織物へ変更。2008年、取締役会長就任。受賞歴として、2007年、経済産業省近代化産業遺産認定(工場)。2011年、勝山市産業功労者。2013年、福井県繊維技術功労者。

至高の艶やかさと肌触りで
“幸せな気持ち”になれる時間を。
福井の風土の賜
「ぬれよこ羽二重」で完成させる。

商品から感じてほしいのは、シルクの滑らかさと光沢、カシミアの柔らかさと温もり、そして、その全てが調和した魅力です。生地そのものの良さを至上の肌触りとして届け、身に付ける人に幸せな気持ちになってもらいたいという強い想いがありました。
用いているのは「ぬれよこ羽二重(はぶたえ)」という織り技術です。かつては、シルクで欧米向けの輸出用生地を。現在では主に和服の胴裏用の生地を製造しています。羽二重とは、通常の平織(ひらおり)が、経糸と緯糸を1本ずつ直角に交わらせるところ、細めの経糸2本を撚らずに並べて織る製法で、「絹の良さは羽二重に始まり羽二重に終わる」と言われています。
「ぬれよこ」とは緯糸を水で濡らして織っていく製法で、布地が引き締まり、こしがあって丈夫になります。水が豊富で一年を通して湿度が高い福井の風土を活かした伝統の製法です。また撚りのない生糸を使うため、引っかかりのない滑らかな肌触りと艶やかさ、自然素材の賜と呼べる風合いが商品に活かせます。
今回のストールでは、経糸にシルク、緯糸にシルクとカシミアの合わせ糸を使用しました。カシミアを合わせることで、柔らかさや温もりの向上を目指しました。「ぬれよこ」製法により、水が糸同士を繋ぎ合わせ、お互いの長所をバランスよく引き出しています。その結果、滑らかで柔らかい肌触り、艶やかで温もりのある光沢、薄さと丈夫さを兼ね揃えた生地に仕上げることができました。自然素材ならではのやさしさや、手染めによる世界に一枚しかない色合いを楽しんでもらいたいです。

商品名
Harmony Habutae
サイズ
w860mm h1800mm
素材
カシミア55% シルク45%

人にも物にも優しい、「羽二重ふろしき」。

ぬれよこ羽二重製法による絹織物の風呂敷です。絹は蚕を優しく包んでいた繭から作られた天然繊維であり、人の肌に優しく、保温性・保湿性・放湿性にも優れます。世にエコバッグが登場してから久しいですが、物を大事にすることはより強く求められています。風呂敷という、かつての日本で使われていた良い物を見直すとともに、ずっと使いたくなる“包み”をぜひ生活のそばに。

商品名
羽二重ふろしき
サイズ
w730mm h730mm
素材
シルク100%
染色
草木染めで日本伝統の和の配色「かさねの色目」を表現