難素材を活かしきるベルベット技術。
主に「二重ビロード」と称される工程でベルベット生地を製造しています。「グランド」と呼ばれる織物組織2枚の間を、最終的に起毛部分となる「パイル」という糸でループ状につなぎ、2枚の間をカット。同時に2枚のベルベット生地を作り上げます。山崎ビロードでは、短・長繊維や毛羽立ちの多いシルクなど、扱いの困難な素材についても、培ってきたカッティング技術や機械のカスタマイズを駆使して対応。高い技術力を持つ染工場や加工場といった職人ネットワークによって、他にはないベルベット生地を仕上げています。
麗しさと爽やかさを生むカラミ織り。
当社で手掛けているカラミ織りには、紗織物と絽織物の2種類があります。紗織物は、経糸を2本ずつ撚りながら撚った間に緯糸を通す織布方法で、その際にできる隙間が通気性の良さを生みます。絽織物は、紗織物の変形にあたり、七・三本おきに緯糸に二本の経糸を交差させて織っていく織り方です。織りあがった生地はそれぞれ七本絽・三本絽と呼ばれます。
福井の風土の賜、ぬれよこ羽二重。
ぬれよこ羽二重とは、「羽二重」と「ぬれよこ」という二つの製法を組み合わせた織り技術です。「羽二重」は、通常の平織が経糸と緯糸を1本ずつ交わらせるところ、細めの経糸2本を撚らずに並べて織る製法で、薄く丈夫な織物に仕上がります。「ぬれよこ」とは、緯糸を水で濡らして織っていく製法で、地合が引き締まり、滑らか且つコシがあり、艶やかな風合いを生み出します。多湿な福井ならではの製法です。染色については、用途に合わせて絹と相性の良い「草木染め」などを行っています。
天然素材中心の先染めジャガード織物。
織物の色・柄・素材・織巾を企画し、人絹・綿・絹・麻・合繊を要望に合わせて使用し、先染め・後染め加工を選択したうえで、ジャカード(柄物)やドビー(無地物)織機を駆使し、顧客に満足していただける製品を日々提案し続けています。他業界や同業者との協力体制を整え、顧客のご要望に応えられる製品を作成しています。常に横のつながりを大切にし、技術を持つ加工業者を把握するとともに、原材料メーカーや準備業者と連携しながら、より多くの可能性を広げ、他業界への販路開拓も視野に入れいています。
自然の情景を織り上げるジャカード。
ジャカード織物を主体に、化合繊と天然繊維を組み合わせた複合織物の開発を進めています。糸の特性を活かし、織り組織や表面効果を工夫することで、奥行きのある質感と印象的な表情を生み出します。自然の情景を視覚効果として織りに取り入れ、記憶に残る風合いを追求しています。